カムタイプの股関節インピンジメント FAIS

男性に多い股関節の痛み。当院での臨床上、下記のように、大腿骨頸部の膨隆によって股関節の痛みを訴える患者さんが多くいらっしゃいます。

ほとんどが40歳~50歳代、または60歳代の方です。

ご自身のX線写真(レントゲン)を見てみましょう。大腿骨頸部が膨隆しているようでしたら、それはカム型(Cam型)の股関節インピンジメントによる痛みの可能性が高いので、このまま読みすすめてください。

股関節インピンジメントFAI カムタイプ

カムタイプの特徴(CAM Type)

カムタイプ(キャムタイプ)は、大腿骨頚部の形状が通常とは異なり、骨の突出や肥厚があり膨隆している状態です。この異常な形状により、股関節を動かすときに大腿骨頭が股関節の寛骨臼(骨盤の一部)に接触し、摩擦や衝突を引き起こします。

主な要因

  • 成長期のスポーツ活動に関連していると考えられており、特に大腿骨頭が完全に成長する前に過剰な負荷がかかることが原因とされています。
  • 生まれつきの骨の形状異常が関与する場合もあります。

症状

  • 股関節や鼠径部(足の付け根)の痛み
  • 痛みは特定の動作、特に屈曲で増悪

長期間放置すると、関節軟骨や関節唇の損傷を引き起こし、最終的には変形性股関節症につながる可能性があります。

大腿骨頸部が膨隆している

ご自身のX線写真と見比べてください。

カムタイプの3D画像

もし、膨隆しているように見えるなら、それは股関節インピンジメント カムタイプである可能性が高いです。

股関節を屈曲すると寛骨臼やそこにある関節唇に当たり痛みを感じるようになります。

カムタイプの股関節インピンジメント

股関節屈曲が制限されるので、症状としては靴下を履くときや爪切りのときに不自由を感じるかもしれません。

股関節回りの炎症が強くなったり、変形性股関節症へ進展してくると、他にも様々な症状が起こってきます。

発症リスクが高い人の特徴

若年層から中年層の方で、特に以下のような股関節を繰り返し屈曲・回旋する動作を伴うスポーツをしている方。

サッカー、ラグビー、体操、ダンス(バレエ・ヒップホップなど)、アイスホッケー、ウエイトリフティングなどの筋力トレーニング、ロードバイク など。

病院などではなかなか対応してくれない疾患です。
心当たりがあり、お悩みの方はお気軽にご相談くださいね。