変形性股関節症の手術をするべきかの判断基準

当院では、以下の症状がある場合、その痛みは、軟骨が消失しぶつかった骨から出ている痛みではないので、保存療法が有効であると考えております。

【 末期の変形性股関節症であっても、骨そのものではなく、
       軟部組織(筋肉、靭帯、関節包)から起こっている痛み】

  • 日によって股関節の痛みに変化がある(痛みの軽い日と辛い日がある)
  • 体重がかかったときに股関節前面の奥が痛む。
  • 歩き始めに股関節前面の奥が痛むけど、歩いている内に痛みが軽減してくる。
  • 立ち上がりや動きはじめが特に痛むけど、動いているうちに痛みが軽減してる。
  • お尻や太ももの外側が痛くなってくる。
  • 股関節を深く曲げたり、特定の動きでズキンとした痛みや鈍い痛みがでる。
  • 股関節も痛いけど、時として股関節以外の部位(膝やスネ、足首、腰)の方が痛いことがある。
  • お尻や腰の痛みが強いことがある。

上記の様な股関節の痛みの場合、それは股関節の骨からくる痛みではなく、股関節周囲の軟部組織(筋肉、靭帯、関節包)からくる痛みである可能性があり、運動療法が出来る患者さんの場合、手術回避が可能である。と考えております。

一方で、手術が必要であると考える痛みとはどのような場合なのか。

① 運動療法ができない。自分で自分の股関節を治そうという意識が薄い人の場合。
② 仕事や生活の中で股関節を酷使している人の場合。
③ 忙しく保存療法を受ける時間が取れない人の場合。

また、当院が推奨しているPSTRエクササイズ(変形性膝・股関節症の手術の回避・延期を可能にするリハビリ治療:世界整形外科学会でも高く評価されている)を提唱している福岡和白病院 関節症センター長 林和夫医師は次のように述べています。

【 手術が適応な痛みの出方】

  • 日によって痛みがないか、痛みのきわめて軽い日がない。
  • 立ち上がり・歩き出しの一歩より歩き出した後の痛みの方が強い。

その場合は、痛みは、軟骨が消失しぶつかった骨から出ているので手術が適応である。
とのことです。(上記の患者は変形性股関節症の方全体の5%足らずとのことです。)

当院は、PSTRエクササイズ(ゆうきプログラム)の認定を受けた施術院です。
[認定書(第61050号)あり]

重い股関節症 運動療法で改善も(林医師の新聞記事)

2024年11月29(金)放送の<ザワつく!金曜日>で長嶋一茂さんの股関節手術が話題となりました。彼の痛みは…

「何かの拍子に痛みが出るのではなく、24時間常に痛い」

と述べていました。

関節包が肥厚し炎症が強く、関節液が溜まっており、関節唇がバサバサに断裂されていました。

「〇〇をしたときに痛みが出る」ではなく、24時間じっとしていても(安静にしていても)持続的に常に股関節が痛む。それが3か月以上続く場合は手術の適応の可能性が高くなります。

その様なことにならないために、早目の股関節ケアが必要になります。

病院で手術を勧められて悩んでいる方や、リハビリがうまくいっていない方はお気軽にご相談ください。