股関節症の運動療法とストレッチ

股関節の痛みを自分で和らげる方法を身につけよう!

中殿筋

変形性股関節症の痛みでお悩みの方の中殿筋(お尻の横の筋肉)は弱い傾向にあり、歩行の時にじゅうぶんに体を支えられなくなって股関節が不安定になると、体をゆらして歩く動作になってしまいます。

ですので、一般的に股関節症の運動療法というと、まずは中殿筋トレーニングということになります。
しかし、一般に多く紹介してある中殿筋の筋力強化トレーニングは、股関節への負荷が多くなり過ぎてかえって痛みを誘発してしまう危険があります

特に、下のイラストの様な横向けでの足上げ運動は、、股関節の痛みに悩む方には特に注意が必要な運動となります。↓↓

間違った中殿筋トレーニング

では、どのような運動が効果的なのでしょうか。

股関節に優しく痛みの改善に効果的な中殿筋トレーニング ↓↓

中殿筋トレーニング

足が床と同じ高さになるようにクッションにのせます。
それから、膝を伸ばして踵を突き出すようにつま先を自分の顔の方へ向けます。

上記の中殿筋エクササイズは、PSTRエクササイズ(ゆうきプログラム)によるものです。
PSTRエクササイズは、世界で最も権威ある世界変形性関節症会議で入賞したエビデンスのある運動療法です。 (エビデンスとは、科学的根拠のこと)

下の画像は、第15回 『股関節痛を自分で治す』よりお借りしています。

pstrエクササイズ

当院は、ゆうきプログラムの指導者資格を持っております。ご興味のある方はお気軽にご相談ください。

大腿四頭筋

変形性股関節症の痛みでお悩みの方の太もも(大腿四頭筋)の筋力は弱い傾向にあり、太ももの太さを左右で比較すると健側(病んでない方)よりも患側(病んでいる方)の方が痩せていることに気が付くと思います。

ですので、大腿四頭筋のトレーニングが必要となります。
しかし中殿筋と同様に、一般に多く紹介してある大腿四頭筋の筋力強化トレーニングは、股関節への負荷が多くなりすぎ、かえって痛みを誘発してしまう危険があります。

特に、下のイラストの様な仰向けの足上げ運動は、ほぼ体重と同じだけの負荷が股関節にかかってしまい痛みが強くなってしまうことがあるので、股関節の痛みに悩む方には特に注意が必要な運動となります。↓↓

股関節の運動療法 仰向けでの足上げ運動

では、痛い股関節に負荷をかけずに大腿四頭筋の機能を活性化するにはどのようにしたらよいのか。

当院では、長年の研究から、下のイラストのような椅子に座っての運動療法が有効であることを認めています。
↓↓

大腿四頭筋トレーニンツ

この運動は単に大腿四頭筋を鍛えるだけではなく、足首を動かすことにより腓腹筋(ふくらはぎの筋肉)や前脛骨筋(スネの前の筋肉)も同時に鍛えながらストレッチもしています。
そうすることにより、歩くときや階段の上り下りに必要な筋の協調運動ができるようになります。

また、筋肉は単に鍛えれば良いというものではありません。
「筋機能」と言って、単なる筋力強化ではダメで、筋肉が正しく動けるようにすることが大切です。

そのため、使った筋肉は、そのあとでストレッチをして伸ばしておくことを同時に行うことがとても大切です。 ↓↓

大腿四頭筋のストレッチ

立った姿勢でのストレッチが困難な方は、横向きで行うことをオススメしています。

大腿四頭筋ストレッチ 横向き
画像は、 PSTRエクササイズ「靭帯や関節包の拘縮をほぐすリハビリとはどんなものですか?」より。

椅子からの立ち上がり、歩き出しを楽にする

変形性股関節症の特徴的な症状の一つに「歩き始めが痛む」というのがあります。これを「始動痛(運動開始時痛)」といいます。

>>始動痛の解説

この体操エクササイズは、立ち上がるときや歩き始めに足の付け根が痛むのを楽にする効果があります。

歩き始めが痛む時の運動療法

※ ストレッチや運動療法で効果を出すには、それなりのコツが必要です。
写真やイラストを見ても上手く出来ない方や、
今、痛みでお悩みの方はお気軽にご相談ください。