歩き始めが痛む(始動痛)
立ち上がるときや歩き始めに足の付け根(股関節)が痛むのに、歩いていると痛みが軽減、若しくは消失する症状は、変形性股関節症のサインです。
これを「始動痛(しどうつう)」または「運動開始時痛」と言いますが、この始動痛は何故起こるのでしょうか?
その鍵を握るのが「滑液」です。
この滑液の量が減って枯渇した状態だと関節がスムーズに動くことが出来ないので、歩きはじめに痛みがでます。
歩いて股関節を動かしていると、滑膜から滑液が分泌されて関節の動きがスムーズになるので痛みが楽になってきます。もちろん、股関節の変形が進んでいると滑液の分泌が追いつかないので常に痛むことになります。
また、関節の潤滑油の役割をしている滑液には粘り気(粘度:ねんど)があります。粘り気が増している状態では関節はスムーズに動くことができません。
この粘度は「温度」と「動き」によって変化し、「低温」と「不動:ふどう」によって粘り気が増してしまいます。(不動とは … 動かないこと)
ですので、始動痛(運動開始時痛)を防ぐには、歩き始める前に軽く股関節を動かして滑液の循環を良くしてあげることが大切です。
<まとめ>
股関節は、動かすことによって…
- 滑膜から滑液の分泌が増える。
- 滑液の粘り気が減って滑らかになる。
- 温まって粘り気が減って滑らかになる。
⇒ 滑液の分泌が増えて粘り気も減るので、股関節がスムーズに動くようになる。
具体的な股関節の動かし方は、ジグリング(貧乏ゆすり)や「椅子からの立ち上がり、歩き出しを楽にする」を参考にしてください。