胃と食道の角度 ヒス角
ヒス角(His角)は、胃と食道の接合部に位置する解剖学的な角度のことを指します。具体的には、噴門部(胃と食道がつながる部分)において、食道と胃の上縁(胃底)がなす角度です。この角度は、胃内容物が食道に逆流するのを防ぐ重要な役割を果たします。
ヒス角の特徴と役割
- 正常なヒス角
- 正常では約 50~60度 程度で、この角度が鋭角(狭まる)であるほど逆流を防ぐ力が強いとされています。
- 逆流性食道炎との関係
- ヒス角が鈍角(広がる)になると、胃内容物が食道に逆流しやすくなり、逆流性食道炎の原因となることがあります。
- 食道裂孔ヘルニアにより、ヒス角が変形すると、胃の中のものが食道に逆流しないようにするための仕組みの逆流防止機構がさらに低下します。
姿勢との関係
逆流性食道炎で悩む方の姿勢は左へ寄りやすい。
下のイラストのように、上半身が左へ寄ることでヒス角は大きくなります。
ヒス角が大きくなると、噴門部は太くなり、逆流防止機構が低下して逆流しやすくなります。