逆流性食道炎を克服しよう
逆流性食道炎とは… 胃液が食道へ流れ込み(逆流)、食道の粘膜に炎症(びらん)を生じた状態で、食道に炎症のあるものを逆流性食道炎と呼んでいます。
胃食道逆流症という言い方もしますが、これは、“非びらん性胃食道逆流症” と “逆流性食道炎”を合わせた言い方です。
ちなみに、非びらん性胃食道逆流症とは、胃・食道にびらんや潰瘍、炎症がないにもかかわらず胃液が逆流し、症状を起こすものを言います。
まれに、「逆流性胃腸炎」という場合がありますが、胃液が逆流して起こるのは食道の炎症なのでこれは間違った言い方です。
ためしてガッテンの放送では、逆流性食道炎の原因について、①脂肪の摂りすぎ、②肥満、③猫背 と言っていますが、実際はそれだけではなく以下の4つの要因があります。↓
主な4つの要因
① 食道知覚過敏
食道が過敏になっているため、少しの胃酸でも胸焼けなどの症状が強く現われる。
主な因子
ストレス、過労 など
② 胃の内圧上昇
胃に外から圧迫が加わることにより内圧があがり、胃液が逆流しやすくなる。
主な因子
不良姿勢(猫背など)、肥満、締め付けた下着、ベルト、重い物を持ったときなどの力み、便秘、腸や子宮のよる圧迫 など。
③ 下部食道括約筋の機能低下
胃と食道の境目(噴門部)にある下部食道括約筋の筋力低下によるもの。
主な因子
加齢による筋力低下、猫背による筋弛緩、脂肪過剰摂取による弛緩 など。
④ 胃液分泌の増加
胃酸が過剰に分泌されることによりおこる。
主な因子
刺激性の飲食物(コーヒー、アルコール、チョコレート、ケーキ、肉(高タンパク食)、高脂肪食、香辛料、過食、喫煙 など)、ストレス
食道と胃の境目である噴門部(ふんもぶ)の括約筋(かつやくきん)が緩むことにより胃液が食道へ逆流しやすくなります。
筋力が低下する高齢者に多く発症する病気とされていますが、近年、PCやスマホ使用時の猫背姿勢が原因で下部食道括約筋の筋弛緩がおこり、若い人にも多く起こります。
体の歪みからみた場合
噴門部(ふんもぶ)あたりの背骨に歪みが発生している場合が多く、正しく機能しない状態になっています。胃や食道をはじめ、内臓というのは正しい位置に正しい形で存在して、正しく機能することができるのです。
逆流性食道炎と言ってもその症状はさまざまです
- 胸焼けが続く
- 呑酸(どんさん)、口の中に虫唾(むしず)がはしる。(胃酸が上がってきて酸っぱい)
- 声枯れ(嗄声)、喉(のど)の違和感(痛み、つまり、チクチク)がある
- 胸の違和感、つかえた感、詰まった感じじがする
- 吐き気
- 朝方気分が悪い 気持ち悪い
- 噛み締め(噛みしめ)、歯軋り、酸蝕歯(さんしょくし:酸で歯が溶ける)
- 胃痛・胃もたれ
- げっぷ(呑気症候群)
- 耳の後ろが痛くなる
- 背中の痛み・肩こり・首の痛み・手のしびれ
- 息苦しさ、不安感、うつ
などの症状がある方は要注意です。
治療と対策
薬物療法
病院へ行くと多くの場合以下の2種類のお薬が処方されます。 (お薬の詳細な説明は専門医に委ねます)
①主に胃酸を抑える薬。
②漢方薬などで胃の働きを整える。
薬物療法による胃酸の分泌のコントロールと胃の働きを整えることにより改善される場合が多くありますが、ストレス、猫背や背骨の歪み、腹腔内圧亢進、下部食道括約筋のゆるみが要因で起こっている方の場合は、薬の服用だけではなかなか改善されないことがあります。
お薬が効かない場合
噴門部(ふんもぶ)位置異常、下部食道括約筋の筋力低下や筋弛緩がある場合、薬物療法や食事療法だけでは改善されない場合があります。
①腹腔内圧、胃内圧の修正。
②噴門部(ふんもぶ)にある下部食道括約筋の閉鎖を強める姿勢の確保。
が必要になります。整体による力学的な手法によってこれらを修正します。
日常生活の見直し
◎食事の見直し
- 食べ過ぎ
- 脂肪分の取りすぎ
- ケーキ
- 香辛料やチョコレートなどの刺激物をひかえる
- アルコールをひかえる
◎姿勢の見直し
- 前かがみの姿勢を続けない(腹圧があがるため)
- 猫背
- 背骨の捻れや傾き(足を組んだり、横座りは背骨を歪めます。特に、食事時は要注意!)
- 体を締め付ける服装をさける
◎仕事や趣味
- デスクワークやスマートフォンなど、猫背になり胃を圧迫している
- 声楽家や歌い手(ボーカル)などで腹圧をかけている
- 定期的な茶話会などでケーキなどを食べる機会が多い
◎ストレスや喫煙
食事について
食の欧米化や偏食により増加傾向にある逆流性食道炎ですが、ハンバーガーやコーラ、揚げ物、コンビにやスーパーなどのお弁当などの食事の改善。