特発性側弯症の発生メカニズム

①胸椎のフラット化

②座屈現象による側弯

③右回旋

① 胸椎のフラット化

メラトニン不足により胸椎がフラット化してしまう

特発性側弯症発生メカニズム 胸椎のフラット化

② 座屈現象による側弯

座屈とは

プラスチック製のものさしを手でつまんで、力を加えます。すると急に「ぐにゃ」と曲がります。簡単に言うと、これが座屈です。

座屈

専門的にいえば、「部材が圧縮力を受けるとき、急に面外にはみ出し、材料強度より遥かに小さい値で耐力低下を起こす現象」です。

参照:座屈とは?座屈荷重の基礎知識と、座屈の種類

正常な胸椎はゆるやかな後弯があるために、体の加重を分散してバランスを保っています。

ところが、特発性側弯症の場合、胸椎のフラット化が起こるために体の加重を支えることが難しくなり、座屈現象が起こり側弯すると考えられています。

③ 回旋を伴いながら側弯

特発性側弯症は単純な横方向の弯曲ではなく、回旋を伴いながら弯曲していきます。

胸椎は右回旋しながら座屈特発性側弯症の胸椎の右回旋

「なぜ、特発性側弯症の胸椎は右回旋しかしないのか?」は謎であり明確な理由は存在していませんが、「心臓を避けるため」という説が有力です。

まとめ

  • 思春期にメラトニン不足により胸椎の前弯がなくなりフラット化する
  • 座屈現象により側方へ弯曲する
  • 弯曲するときに心臓をさける右回旋する