ストレートネックを改善するストレッチ、体操
体操の目的と方法
慢性的にうつむき姿勢が多いストレートネックの人は、首だけでなく、肩もなるまり「肩巻き猫背」になっている場合がほとんどです。その影響を受けて、肋骨の前面(胸)がつまり縮んでいる状態です。
ですので、ストレートネックの体操は、首を上に向くだけのストレッチではダメで、縮んだ肋骨を広げ、巻いた肩を開くという動作をすべて同時に行ってあげる必要があります。
初級編
上のイラストのように、両足を肩幅に広げて両手を後ろに組みます。息を吐きながら、組んだ両腕を上へ持ち上げ、胸を反らして体の前面をストレッチします。(一連の動作で行ってください。)
その状態のまま、2~3呼吸保持します。
息を吐きながら、ゆっくりと戻り、手をほどきます。
上級編
上級編のストレートネックのストレッチでは、体全身を使って行います。
少し難しい話しになりますが、上級編に興味がある方はお聞きください。
首が前へ出てしまうのは、斜角筋の緊張が強い状態です。この斜角筋は、アナトミートレインのディープフロントラインという筋膜のつながりで、大腰筋や内転筋群、ふくらはぎ深部の後頚骨筋とつながっています。ですので、より効果的にストレッチを行うためには、これらを同時に伸ばすことが必要になります。
まず、大腰筋・内転筋群の緊張を検索します。
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上のイラストを参考にして、股関節の開きが硬く、膝が浮いて高くなっている側をチェックしてください。
股関節が硬く開きにくい方の脚を後ろに引きます。この動作で大腰筋・内転筋群・後頚骨筋が伸ばされます。次に、両手を後ろに組んで上に持ち上げて胸を張ります。
その状態のまま、2~3呼吸保持します。
息を吐きながら、ゆっくりと脚を元の位置へ戻し、手をほどきます。
この体操は、無理をせずにゆっくりおこなってください
簡単そうな動きですが、猫背などで背筋が伸びにくい人の場合は、かなりきつい動きかと思います。無理に行おうとすると体幹部をネジってしまい、かえってゆがみが大きくなってしまう場合もあります。
筋力トレーニングやストレッチなどでは、どの筋肉を鍛えているの、効かせているのかを意識ながら行うことが重要であることは周知の通りですが、この体操の場合も、『何のためにそれを行い、どんな効果があるのか! という理屈を知ることが大切になります。』
テレビや雑誌などで、同じような動作をおこなう体操を見かけた人もいると思いますが、正確に行うためには、それを知ってやるのか知らないでやるのかでは効果も違ってきます。
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